栄養メッセージ 郷土料理と地産地消
管理栄養士 中村 とき子

 南北に細長い日本は、気候や温度もそれぞれの地域で異なり、同じ時期に採れる農産物、海産物も多種多様です。近年は計画栽培が行われる農作物も多く、季節はずれの作物がわたしたちの食卓を豊かに潤しています。しかし、一昔前欧米化されるまでの日本人の食生活は「地産地消」がごく自然に行われていたように思います。

 さて、先般新聞紙上に「これが郷土料理百選」「特選ご当地料理」として、23品目の料理が紹介されました。兵庫県から紹介されたのは「ボタン鍋」と「いかなごの釘煮」でした。ボタン鍋は、丹波地方のいのしし料理ですが、大皿に盛られた猪の肉の色合いと形がまるでボタンの花のように華やかです。家畜としてまた食料として飼育された豚のルーツである猪は、野生のものは運動量も豊富で、赤肉が多く、その点ではタンパク質が多く脂肪が少ないヘルシーな食材と言えるでしょう。

 春の訪れと共に明石で水揚げされる新鮮ないかなご(3〜4センチくらいのもの)を待ち焦がれるように、各家庭で主婦が腕を競い、我が家の作品を炊き上げ、知人や嫁いだ娘に、他県に暮らす息子にと送り届けるのが風習となっているようです。その時期に街を歩くと、路地のあちこちから特有の食欲をそそる香ばしい香りが漂います。

 この炊き方もいろいろのようで、料理研究家の先生方だけでなく、家庭の熟練主婦の工夫による調味料の割合、炊き方などに特徴があるようです。

 海岸通・エレガーノ神戸では、これまで各地の郷土料理からメニューとしていろいろ取り上げてきました。

 北海道の石狩鍋、秋田の稲庭うどん、東京の深川丼、富山の鰤大根、石川の次部煮、静岡の鰻の蒲焼、三重のひつまぶし、京都の加茂茄子の田楽、兵庫のいかなごの釘煮、高知の鰹のたたき、熊本の辛子蓮根、宮崎の冷や汁、沖縄のごーやちゃんぷる。そして、月一回の特別料理では兵庫の特選ご当地料理「神戸ステーキ」も登場しました。

 最近よく言われる「地産地消」の薦めは、これからの食生活を考える点からもとても大切なことで、自分たちが住んでいる土地や周辺で採れる食材をその旬の時期に食べることが、安価で栄養量も豊富、そして何よりも新鮮で美味しいという点で優れているのです。これらの食材を、いかにバラエティ豊かに魅力ある料理として食卓に乗せるかが、賢い主婦としての課題かと思われます。





1.お魚って素晴らしい 2.秋の味覚 3.輝くシルバーエイジ
4.暑い夏を乗り切りましょう 5.実りの秋 6.郷土料理と地産地消
7.熊の親子 8.処変われば、品変わる 
 国が変われば、食べ方変わる


 グランドホームは協会加盟の有料老人ホームの愛称です。
Copyright:(C) 2004 e-life-silver.com(yuuki-net) All Rights Reserved.