Vol.10


ご入居者の皆様をケアする職員が、日ごろから心がけていること、大切にしていることを、
ご入居者の皆様、ご家族の皆様にお伝えしくて、ケア職員3人が話し合いました。

自分の両親や家族を
介護する気持ちで


渡邊施設と在宅と、介護に違いがあると思いますか。
内野カルデアに来て1年になりますが、前は訪問入浴の仕事をしていて、接した方は気管切開や、じよく瘡がかなりある方、死期が迫ったターミナル患者など要介護度の高い方でした。どこに気をつけるか、どう怪我させないかを念頭においてやっていましたが、ここでもそれは同じです。

渡邊施設にはADL(日常生活動作)の高い方も低い方もいらっしやる。低い方やターミナルに近い方への接し方は在宅に似ていますね。
内野僕が実際に寝たきりにならないとその方の気持ちにはなれないと思いますが、部屋の中にずっといる方には会話一つにも気をつけます。季節の話をして、今が春なのか夏なのかをわかってもらえるように。それすら失っちゃうと、ただ生きてるだけ、そこに居るだけになってしまうので、楽しく毎日を過ごしていただけたらなあと思えることはやっています。

渡邊在宅でご家族と暮らしていたときに比べると外出する機会が少なくなりますね。ご家族に近い気持ちで私たちが接して、少しでも家庭の味を味わっていただくのは大切なことですね。
 猿山さんは入社して2カ月。在宅ヘルパーとして家事や身体介護をやってきて、違いはありますか。

猿山基本的にお客様に接する気持ちはいっしょです。違うところをあげるとすれば、在宅は一人に時間をかけられるけど、施設は時間単位で動くので、一人にかかりきりにはなれないですね。

渡邊もう少しして差し上げたいのに、時間の流れの中では一部分しかできない、そのジレンマはありますね。

猿山僕は全体を見るのではなく、一人ひとり、個人として接するように心がけています。この先もずっとそうでありたいと思っています。

渡邊皆さん一人ひとり違う個性を持っていらっしやる。その個性に合わせて援助していくことが必要で、均一のケアではいけないと痛切にわかりますよね。

自問自答を続け、より良い介護を目指す

猿山課長はこの春カルデアに着任されたわけですが、前の施設と比べていかがですか。

渡邊4年半勤務した施設は専用型で、全員が要介護者でした。ここは自立の方が3分の1、要介護の方が3分の2いらして、接し方や気持ちの切り替えがむずかしいと思いました。でも、まごころは一つ、思いやりは一つ、やさしさも一つ、そういう気持ちで接しています。
 介護の世界は終わりのない世界で、いつもこれでよかったのかと自問自答しながら先へ進んでいるという感じですね。

内野答えはないですね。亡くなった方のご家族から「ありがとうございました」と頭を下げられると、それほどの介護ができたのか、悪いところはなかったのか、もっとできたのではないかと、ケアスタッフと話をします。 この仕事には必ず後悔が付いてくる。ただ、後悔しても後ろ向きにならず、次にどう生かせばより良くできるかという考え方ができないと、介護はできないと思います。

渡邊介護の仕事をしていると、大人になるんですよね。

内野◆心が老ける? そうじゃなくて、思考が熟します!
渡邊ひろみ●ヘルパーから生活支援員に。これまでの経験で培われたものは「お客様に対するまごころ、思いやり
渡邊気持ちは若くいましょうね。

猿山僕は22歳。今はいろんな経験ができるし、ご入居者が話されること、一つひとつが新鮮です。接しているだけで、感心している自分がいるっていう感じですね。


内野知識量は絶対勝てないですよ。学ぶことばかり。

渡邊その方の人生の背景はわかりませんから、話し方や考え方、性格などを総合して考えるわけです。幸せな人生を生きて今に至っているとか、苦労して今やっとここにたどり着いて、これから安心した気持ちで一生を全うしようと思っていらっしやるとか、だんだん汲み取れるようになってきますね。
 昔で言う「3K」という言葉が当てはまってもおかしくないくらいきつい面もありますけど。

内野3Kどころか、4K、5K。一日の仕事が終わって制服を脱ぐと、中の黒いTシャツが塩吹いて灰色になつてます。
お腹はペコペコでついカップラーメンに手が伸びる。やっぱり、キッイ(労働時間)、キタナイ(排泄に接する)、キケン(誰かを危険にさらす)。
 ただ、僕は、うれしいほうの「K」、たとえば「希望を持てる」とか、「相手をきれいに保つ」とかをたくさん引き出していきたいですね。文句を言うより、やりがいを持ちたいと思いますから。

渡邊この業界の人手不足という現実、給料が安いという現状。介護保険の枠組みで仕事をしているわけですから、介護報酬の見直しを訴えていきましょう。
若者にもっとこの仕事に入ってきてほしいなと思いますね。
内野晴章●神奈川工科大学で福祉システム工学を学ぶうちに、工学的分野より人対人、直接的な仕事に就きたいと介護の世界に飛び込んだ
内野でも、軽い気持ちでこの仕事に臨んでほしくない。人対人の仕事ですから。

渡邊心と心のつながりというか、心を提供して、心をいただく仕事ですからね。

内野特別な技術は必要ないと思うんです。仕事を始めて1、2カ月で技術は付けられるし、それ以降は積み重ねです。それより何より大事なのは、覚悟だと思います。

渡邊職員数に限度があり、居住者のお一人お一人に接するにも限りがあります。施設によっては朝から夕方までデイルーム一カ所に入居者を集めて過ごすというところもあります。排泄は個室へ、食事は食堂へお連れしても、またデイルームに戻り、そこで一日が回っていく。そのほうが目が行き届くし、危険も回避でき、介護しやすいんですね。

 ところがここは、お客様個々のお部屋を「家」として見ていますから、職員がお客様のお宅に伺って介助します。
猿山崇仁●人と接するのが大好きで、ヘルパーの資格を取ってからますます興味が湧き、気がついたら介護職に就いていた
職員には厳しい部分はありますが、「自分だけをもう少し見てほしい」「自分だけにかかわってほしい」というお客様の要望にお応えし、個々のケアを手厚くしている。それは誇りを持てることだと思います。

内野「いろんな施設を見て回ったけど、ここが一番いい」と言われることが、僕らとしては一番やりがいを感じますね。

渡邊他と比べ物にならない、いいソフトを揃えていますと、胸を張って言いましょうね。





カルデアの家は高台に建っています。
居室をはじめ館内からの眺めは見晴らしが良く開放的で抜群なのですが、道路からエントランスまでのアプローチは坂道のため、歩くのがちよっと大変でした。

そこで、カルデアの家に隣接する新横浜教会下にエレベーターを設置することにしました。年内には完成する予定です。ご入居者の皆様の外出に、ご家族等の来訪に、役立ってほしいと願っております。どうぞご期待ください。

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ご入居者様からの声
イエス様、忘れられない人たちに見守られて 小林美津子様

7年前のカルデア入居当時は、車いすの夫と共に、下隣の教会へ日曜礼拝に行き、神様の御祝福と御加護をいただき、そして人生の平安を祈り、幸せ一杯の毎日を過ごしました。

それから4年、夫は静かに昇天。ひとり残され、落ち込み、風邪を引いてもなかなか治らず、淋しいその後でした。その折、姉より「千の風になって」のCDを貰いました。
そうです!!イエス様をはじめ大切な忘れられない人たちは、あの広い空からいつも見守ってくれているのです。残された命の続く限り、皆様と仲良く、讃美歌はもちろん、懐メロ・カラオケなど歌い、体操教室で体調を整え、書道教室で久しぶりに筆を持ち、日本の文字の美しさを愛で、楽しく元気で過ごしています。
このように安心して暮らせるカルデアの生活ほど、すてきな所はありません。愛に満ちた家と思います。カルデアの皆様の優しい心のこもった御支援をいつも感謝しております。


ご家族からの声
感謝と共に 佐藤茂様

父母が、それぞれの入院先から退院後、直接カルデアの家に入居しました。そして父が2年半後、手厚い介護の中で感謝しながら他界しました。
その後、母が何度か入退院を繰り返しましたが、その都度、看護師さんやヘルパーさん、職員の人たちの温かい見守りによって、近年はとても平穏に暮らしております。
入居から9年、先日、88歳を迎えました。私も毎週土曜日に昼食を一緒にするよう心がけております。近頃では母が「すっかりご隠居さんで幸せ」と言ってくれる言葉が自分への励ましです。このまま百歳を目標にと思うこのごろです。


ケア職員からの声
思い思いの生き方 池田文子

私が入社して早3年が過ぎました。「介護」の奥深さ、難しさに悩み、葛藤している毎日です。
ご入居者様に接しておりますと、時折、95歳になる母の姿と重なってしまうこともたびたびあります。ご入居者様からはお心遣いや、憂いのある笑顔で優しく温かいお声をかけていただき、私たち職員一同、「今日もがんばろう」と気合が入ります。

「カルデアの家」のご入居者様は、聡明かつ心豊かな方々ばかりです。皆様、思い思いの趣味や活動に日々を過ごされています。
職員一同も、人生の先達の教えに感謝し、努力を惜しまず、ご入居者様と共に、元気で明るく、楽しく過ごし、「百歳長寿」を目指したいと願っています。「百歳長寿」万歳!!